


外壁塗装の仕上がりや耐久性は、実は表面に見える上塗りだけで決まるわけではありません。その下に塗られて最終的に見えなくなる「下塗り材」こそが、塗装全体の寿命を大きく左右します。
とはいえ、見積書に「下塗り」と書かれていても、どんな塗料が使われているのか、なぜそれを選んだのかまで説明される機会は多くありません。下塗り材は種類が豊富で、外壁の状態に合わせた選定が必要な、専門性の高い工程です。
この記事では、当社が使用している下塗り材のひとつ「PLスーパーファインベース」について、どんな塗料なのか、どんな外壁に向いているのか、そしてそもそもなぜ下塗りが重要なのかを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
PLスーパーファインベースは、どんな下塗り材?


PLスーパーファインベースは、1液水性の合成樹脂系微弾性フィラー(下塗り材)です。
無機ハイブリッドチタンガードシリーズ・ゼニスシリーズ・レガロシリーズといった上塗り塗料と組み合わせて使う、可とう型改修塗材E(微弾性フィラー)に分類されます。の現場で、外壁の下地を整えるために使われる塗料だとイメージしてください。
「微弾性」とは何か
「微弾性」とは、塗膜にほどよい柔らかさ(弾力)があるという意味です。硬く固まりきってしまう塗膜は、外壁が動いたときに一緒に伸び縮みできず、ひびが入りやすくなります。微弾性の塗膜はある程度しなやかに動くため、外壁にできる微細なヘアークラック(髪の毛ほどの細いひび割れ)に追従し、ひびを目立ちにくくしながら美しい下地をつくります。
「フィラー」とは何か
下塗り材には大きく分けて「シーラー」と「フィラー」があります。シーラーは水のようにサラサラしていて、下地に染み込んで上塗りとの密着を高めるタイプです。一方フィラーは、ややとろみのある塗料で、下地の細かな凹凸やひび割れを埋めて表面を平らに整える役割を持ちます。
スーパーファインベースはこのフィラーにあたり、適度な厚み(肉持ち)で下地をならしながら、微弾性によってひび割れにも対応できる点が特徴です。表面がザラついたモルタルや、細かなひびが出やすい外壁を、なめらかに整えるのが得意な下塗り材といえます。
外壁塗装は3回塗りが基本です



外壁塗装は、基本的に「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りで仕上げます。それぞれに役割があり、どれかひとつでも省くと仕上がりや耐久性に影響します。
下塗り
外壁と上塗り塗料をしっかり密着させ、下地を整える最初の工程です。スーパーファインベースはこの下塗りで使われます。
下地の吸い込みを抑えたり、細かなひび・凹凸をならしたりして、次に塗る塗料がきれいに均一にのる土台をつくります。
中塗り
仕上げ塗料の1回目です。上塗りと同じ塗料を使い、塗膜にしっかりとした厚みを持たせます。塗りムラを防ぎ、色や艶を安定させる役割があります。
上塗り
仕上げの最終工程です。色・艶・耐候性を決める塗料を重ね、外壁を紫外線や雨風から守る表面をつくります。実際に目に見える色は、この中塗り・上塗りでつくられます。
このうち、下塗りは仕上がると上塗りに完全に隠れて見えなくなります。見えなくなる工程だからこそ、ここで手を抜いても一見わかりません。しかし、その手抜きは数年後の剥がれや膨れとなって必ず表面に現れます。
なぜ下塗りがそこまで大切なのか


結論からお伝えすると、下塗りは「上塗りを長持ちさせるための土台」だからです。
どれだけ高性能で高価な上塗り塗料を使っても、下地との密着が弱ければ、塗膜は本来の耐久年数を待たずに剥がれてしまいます。家にたとえるなら、基礎がしっかりしていない土地に立派な家を建てるようなものです。表面の塗料がどんなに良くても、土台が弱ければ長持ちしません。
古い外壁ほど下塗りが効いてくる
長年風雨にさらされた外壁は、表面が劣化しています。手で触ると白い粉が付く「チョーキング(白亜化)」が起きていたり、細かなひび割れが入っていたり、塗膜が部分的に弱くなっていたりします。
こうした状態のまま上塗りをすると、弱った下地ごと塗料が剥がれたり、ひびがそのまま表面に浮き出てきたり、塗料の吸い込みムラで仕上がりにムラが出たりします。下塗り材は、この劣化した下地を一度リセットして整える役割を担っています。
ヘアークラックはなぜ起きるのか
モルタルやALCなどの外壁には、経年で髪の毛ほどの細いひび割れ(ヘアークラック)が入ることがあります。これは、気温の変化による外壁材の伸び縮みや、建物のわずかな動き、塗膜の経年劣化などが原因です。
ヘアークラックは、表面の塗膜だけの浅いひびであれば、ただちに雨漏りにつながるわけではありません。しかし放置すると少しずつ広がり、そこから水が入って外壁内部の劣化を早める入り口になります。微弾性の下塗り材は、こうした細いひびに追従して埋め、被害が広がる前に整えることができます。
PLスーパーファインベースの強み


微弾性でヘアークラックに追従する
塗膜にほどよい弾力があるため、外壁にできる微細なヘアークラックに追従します。硬い塗膜のようにひびの動きに割れてしまうことが少なく、ひび割れを目立ちにくくしながら下地を整えます。ひびが出やすいモルタルやALCの外壁で特に頼れる性質です。
下地の目止め効果に優れている
下地の小さな穴・へこみ・ザラつきを埋める「目止め」の効果が高く、表面をなめらかに整えます。土台が平らになることで、上塗りがムラなく均一にのり、仕上がりが格段に美しくなります。下地が荒れているほど、この目止め効果の差が仕上がりに表れます。
幅広い既存塗膜への付着性が高い
各種の既存塗膜への付着性が良好で、幅広い下地に適応します。塗り替えの現場では、前回どんな塗料が塗られているかが現場ごとに異なります。付着性の幅が広いということは、それだけ多くの外壁にしっかり密着できるということで、改修用の下塗り材として扱いやすい大きな利点です。
1液水性で扱いやすく、臭気が少ない
水性タイプのため臭気が少なく、施工中のニオイの負担が小さいのもメリットです。溶剤系(シンナー系)の塗料に比べてニオイがきつくないため、近隣やご家族への負担を抑えられます。また、有機溶剤の使用が少なく、環境にもやさしい塗料です。
水性ならではの透湿性で膨れを防ぎやすい
一般に、水性タイプの塗膜は溶剤系に比べて湿気を通しやすい性質があります。外壁の内部にこもった湿気が抜けやすいと、塗膜が内側から押されて起こる膨れや剥がれといったトラブルの予防につながります。下地に湿気が関わりやすいモルタルやALCなどの外壁では、こうした性質も役立ちます。
JIS規格に適合した品質
JIS A 6909「可とう型改修塗材E」の品質に適合しています。可とう型改修塗材Eとは、ひび割れ追従性を持つ改修用の塗材として国が定めた規格です。メーカーの自己評価だけでなく、こうした客観的な基準を満たしている点も、安心して使える材料である理由のひとつです。
PLスーパーファインベースは、こんな外壁に向いています




スーパーファインベースは、塗り替え時の改修用下塗り材として、幅広い外壁に対応します。
・リシン
・吹付タイル
・モルタル
・ALC
・RC面(コンクリート)
・窯業系サイディングボード
また、すでにアクリル樹脂塗料・ウレタン樹脂塗料・酢ビアクリル樹脂塗料・アクリルシリコン樹脂塗料などで塗装されている外壁の塗り替えにも対応します。
前回の塗装からある程度年数が経ち、塗り替えの時期を迎えた住宅の多くがこれらに当てはまります。
特にモルタル・ALC外壁と相性が良い
なかでも、モルタルやALCのように微細なひび割れが出やすい外壁では、スーパーファインベースの微弾性が活きやすくなります。ひびを追従して埋めながら、ザラついた表面を目止めでなめらかに整えられるため、ひびと下地の荒れの両方に一度で対応できます。
ご自宅の外壁がどのタイプで、どんな状態にあるかは、見ただけでは判断が難しいこともあります。最適な下塗り材は外壁の素材と劣化具合によって変わるため、まずは現地での診断で状態を確認することをおすすめします。
施工会社を選ぶときは、下塗りの説明があるかを見てください


下塗り材は、仕上がると見えなくなる工程です。だからこそ、悪く言えば「ごまかしが効いてしまう」工程でもあります。本来3回塗るべきところを2回で済ませても、塗った直後の見た目ではわかりません。
だからこそ、どんな下塗り材を、どんな理由で選んでいるのかをきちんと説明してくれる会社かどうかが、信頼できる業者を見分ける大切なポイントになります。
見積りや打ち合わせのときに、「下塗りには何を使いますか?」「なぜその塗料なんですか?」と聞いてみてください。外壁の状態に合わせて下塗り材を選び、その理由を自分の言葉で説明してくれる会社であれば、塗装全体を丁寧に考えている可能性が高いといえます。逆に、下塗りの話題を曖昧にする会社には注意が必要です。
F☆☆☆☆対応塗料という点も安心材料です
PLスーパーファインベースは、F☆☆☆☆(エフフォースター)に対応しています。



F☆☆☆☆は、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドの放散量が最も少ないことを示す、国が定めた等級です。星の数が多いほど放散量が少なく、F☆☆☆☆は最高ランクにあたります。
外壁に使う塗料なので室内の塗料ほど神経質になる必要はありませんが、こうした安全性の基準を満たした塗料を選ぶことは、住まい全体の安心につながります。小さなお子様やペットのいるご家庭でも、ひとつの判断材料にしていただけます。
塗料の安全性や、F☆☆☆☆の意味が気になる方もいらっしゃると思います。F☆☆☆☆については別の記事で詳しく解説していますので、あわせて読むことで塗料選びの考え方がさらに分かりやすくなります。


まとめ
PLスーパーファインベースは、微細なヘアークラックに追従する1液水性の微弾性フィラー(下塗り材)です。目止め効果・幅広い下地への付着性・水性ならではの扱いやすさをあわせ持ち、ひびが出やすいモルタルやALCの外壁と特に相性の良い下塗り材です。
外壁塗装は、上塗りだけで決まるものではありません。見えなくなる下塗りまで、外壁の状態に合わせて適切に選ぶことが、長持ちする塗装の土台になります。
当社では、外壁の状態を診断したうえで下塗り材を選び、その理由もご説明しながら施工しています。「うちの外壁にはどの下塗りが合うの?」といったご相談も大歓迎です。診断・見積りは無料で、診断後にすぐ契約をお願いすることもありません。宇都宮市・鹿沼市・さくら市など周辺エリアに対応していますので、お気軽にご相談ください。
よくある質問
PLスーパーファインベースはどんな下塗り材ですか?
1液水性の合成樹脂系微弾性フィラー(下塗り材)です。微細なヘアークラックに追従する弾力があり、下地の目止め効果と幅広い既存塗膜への付着性に優れています。塗り替え時の改修用下塗り材として使われます。
シーラーとフィラーは何が違うのですか?
シーラーはサラサラしていて下地に染み込み、密着を高めるタイプです。フィラーはとろみがあり、下地の凹凸やひびを埋めて表面を平らに整えるタイプです。スーパーファインベースはフィラーにあたり、下地をなめらかにならす効果が高い下塗り材です。
どんな外壁に使えますか?
リシン・吹付タイル・モルタル・ALC・RC面・窯業系サイディングボードなど幅広い外壁に対応します。アクリル・ウレタン・アクリルシリコン等で塗装済みの外壁の塗り替えにも使えます。特にひびの出やすいモルタル・ALC外壁と相性が良い塗料です。
水性なので臭いは少ないですか?
はい。水性タイプのため臭気が少なく、施工中のニオイの負担が小さい塗料です。溶剤系に比べてニオイがきつくないため、ご家族や近隣への負担を抑えられます。環境にもやさしい仕様です。
下塗りはそんなに重要ですか?
とても重要です。下塗りは上塗りと外壁を密着させ、下地を整える土台の役割を担っています。どんなに良い上塗り塗料を使っても、下塗りが不適切だと数年で剥がれや膨れが起きる原因になります。家の基礎にあたる工程だとお考えください。
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